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ASUS PRIME A320M-KをRyzen 5000シリーズ対応BIOSにアップデートする

Socket AM4ごく初期しかもローエンドのチップセットA320のマザーボードはZen 3 Vermeer CezanneのRyzen 5000シリーズに対応しないまま寿命を迎えると信じていたのですが、まさかのまさか、多くのマザーボードは全てのSocket AM4 CPUとAPUに対応してしまいました。

メインで使わなくなった予備のASUS PRIME A320M-Kがあり、Bristol RidgeのA12-9800を取り付けてWindows 11の検証用に使っていました。Bristol Ridgeは公式にはWindows 11非対応ですがレジストリをいじればインストール可能です。

そうしていたところCezanneのRyzen 7 5700G バルクが24,800円まで値下がりしたため、ASUS PRIME A320M-KをCezanne対応BIOS 6042にアップデートして換装することにしました。

最初、A12-9800のままBIOS 6042へのアップデートを試したのですが、UEFIのASUS EZ Flash 3でもWindows上のASUS AI Suite 3でも更新不可でした。EZ Flash 3が出すメッセージは「Selected file is not a proper BIOS!」AI Suite 3が出すメッセージは「BIOS イメージのモデルが現在の BIOS ROM に合いません」でした。
A12-9800 BIOS 6042 1 A12-9800 BIOS 6042 2

先にRyzen 7 5700Gを取り付ければASUS CrashFree BIOS 3が起動して更新してくれるかと思いましたが、これもダメ。

結局、他のPCに付いていたRyzen 5 2400Gを外して付けたら更新できました。Bristol Ridge対応BIOS 5606からCezanne対応BIOS 6042への更新、またその逆も可能でした。BIOS 6042に更新後、Ryzen 7 5700Gを取り付けて試したら、BIOS 5606に戻すことも可能のようです。

まとめると、以下のようになるはずです。ASUS PRIME A320M-C R2.0も同様でした。
装着CPUBIOS 5606から6042への更新BIOS 6042から5606への更新
Excavator / Bristol Ridge / A12-9800不可起動しない(※)
Zen / Raven Ridge / Ryzen 5 2400G
Zen 3 / Cezanne / Ryzen 7 5700G起動しない可(※)
※は推測、面倒なので試していない

なぜBristol Ridgeで更新できなかったのか謎です。ASUS以外のメーカーは分かりませんが、Zen~Zen 2のCPUを予備としてキープしておくのが安全でしょう。

Intel 300シリーズチップセット以降のスリープ解除遅延問題

以前から2台のPCでTvRock+TVTestのテレビ番組予約録画を行っています。OSはWindows 10最新版です。録画と番組情報取得以外の時間はスリープ状態です。

2018年3月、Intel Core i5-8400+ASUS PRIME H310M-Aに構成変更した後、最初に問題が発覚したのは2019年7月でした。なぜか稀に録画開始が数分遅れるのです。原因不明のスリープ解除遅延でした。その後、RTC周りが原因と推測し、UEFI設定のSystem Time and Alarm SourceをデフォルトのACPI Time and Alarm DeviceからLegacy RTCに変更したら解決しました。

参考
「300チップセットマザーボードのRTC設定 – Boot macOS」
https://bootmacos.com/archives/7195

しかし、最も詳しく正確な情報が入手できるのは価格.comのクチコミ掲示板です。
「価格.com - 『acpi waik alarm とは何でしょう?』 ASUS TUF Z390-PLUS GAMING のクチコミ掲示板」
https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001095680/SortID=23106762/
  • ACPI Wake Alarm(ACPI ウェイク アラーム)が存在する場合はACPI Wake Alarmが優先して使われ、ACPI Wake Alarmが存在しない場合はLegacy RTCが使われる。
  • UEFI(BIOS)設定でACPI Wake Alarmを無効にできない場合でも、デバイス マネージャー上で無効にすれば同じ結果になる。
  • デバイス マネージャー上で無効にする場合はHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\acpitimeのStartを4に変更して再起動する。

2021年7月、Intel Core i7-10700+ASUS PRIME H510M-Aに構成変更しました。事前調査によりUEFI設定変更でACPI Wake Alarmを無効にできないことを想定していましたので、価格.comの記事の通りにデバイス マネージャー上で無効にしました。
ところが、無効にするとスリープ解除自体が不可能になるのです。TvRockからの解除、タスク スケジューラからの解除、どちらも同じ結果で、セットした時刻になってもスリープから復帰しません。TvRockに依存した問題ではないことも分かりました。また、ASUS PRIME H510M-AにはLegacy RTCのハードウェア自体が搭載されていないと推測しました。

ASUS PRIME H510M-Aで発生したスリープ解除遅延現象の詳細は以下の通りです。
  • スリープから約3.5時間まではアプリケーションがスリープ解除するが、約3.5時間を超えるとACPI Wake Alarmがスリープ解除するようになる。
  • ACPI Wake Alarmがスリープ解除する場合、1時間毎に約25秒ずつスリープ解除が遅れていく(16時間で約7分)。
  • 時間に比例してスリープ解除が遅れていくので、ハードウェアではなくソフトウェア(Windows 10)側が原因の可能性がある。
ダメ元で国内販売代理店とMicrosoft社に問い合わせましたが、全く取り合って頂けませんでした。

残念ながら解決方法が無いので、TvRockのスリープ復帰時間を最大の5分間に設定し、さらに番組情報取得のタイミングを1日2回に増やすことで対処しました。

こうなってくると、ASUS PRIME H310M-AとPRIME H510M-Aの間にある、Intel 400シリーズチップセットのPRIME H410M-Aがどうなるのか気になってくるわけです。幸いCore i7-10700が動作します。おそらくPRIME H510M-Aと全く同じ挙動になるだろうと思いつつ、全く期待せずに購入してみました。
結果、意外や意外、デバイス マネージャー上でACPI Wake Alarmを無効にしたら、遅延なくスリープ解除されるようになりました。

従って、各モデルの差異を整理すると、以下のようになります。
ASUS PRIMEH310M-AH410M-AH510M-A
UEFI設定でACPI Wake Alarmを無効にできるできないできない
デバイス マネージャー上で「ACPI ウェイク アラーム」を無効にすると、スリープ解除される*されるされない
(おそらく)ハードウェア的にLegacy RTCを搭載している*いるいない
デバイス マネージャー上で「インテル(R) ディスプレイ用オーディオ」を無効にしないと、勝手にスリープ解除されるされるされない
*既に処分してしまったので不明、推測

「インテル(R) ディスプレイ用オーディオ」はスリープ解除遅延問題と無関係ですが、H410M-AまでとH510M-Aで挙動が異なったので、書きました。何か関係があるのかもしれません。

私はただのパソコンオタクですので、ASUS以外のマザーボードメーカーがどのように設計して実装しているか、Intel社のマザーボードデザインガイドラインがどうなっているか全く知りませんが、結論としてIntel 500シリーズチップセット以降はスリープ解除遅延問題を解決できないかもしれないことを覚えておくのが無難です。

なおAMDは500シリーズチップセットでもスリープ解除遅延問題は全く発生しません。デバイス マネージャー上に「ACPI ウェイク アラーム」が存在しないので、今でもLegacy RTCを使っていると思われます。


それにしてもこれだけ重大な問題が放置されているのは異常です。TvRockはともかくタスク スケジューラからのスリープ解除が遅れるのはハードウェアかソフトウェア(OS)の不具合としか思えません。「ACPI Wake Alarm」でGoogle検索しても、勝手にスリープ解除されるという低レベルな記事で検索結果が汚染されていて、有用な情報に辿り着けません。多くの人が原因不明のまま解決できずにスリープ運用を諦めているかもしれません。是非ともマザーボードメーカーとMicrosoft社は問題解決に向けて動いて頂きたいと思います。

謎のDual Socket 370マザーボード USI PA-PR66T

USI PA-PR66T 1
謎のマザーボード、USI PA-PR66Tです。実は2018年2月頃にebayで入手し、その後興味が失せてすっかり忘れていましたが、最近またebayで出品されているのを見かけてこの記事を書くことを思い立ちました。

このマザーボードが極めて珍しいのは、VIA Apollo Pro 266T(AP266T)のAGPバスを64bit66MHzのPCIバスに変換する、バス変換ブリッジチップVIA VPX-64ことVIA VT8101が搭載されている点です。

VIA VPX-64はVIAがエンタープライズサーバー市場への参入を狙って開発したようですが、実際に搭載された例は自作市場向けのRIOWORKS NUVIA-GLぐらいしか知りませんでした。

このUSI PA-PR66Tというマザーボードは素性が全く分かりません。チップの製造年週から分かるように2004年後半の製造です。Pentium IIIが市場から消える寸前の時期です。何かの機器へのOEM供給、もしくは試作品と思われますが、検索しても情報が全く出てきません。

Pentium III-S 1.4GHzを2つ装着しても、1つしか認識しませんでした。BIOSが未熟なのか、試作品だからなのか、それとも本当に故障していたのか、判断できませんでした。Windows XPのインストール自体は成功しました。

USI PA-PR66T 2
デバイス マネージャのスクリーンショットです。64bit66MHz PCIスロットには、HP製のLAN・USB・VGAの複合カードを挿しています。期待通りに動作していることが確認できます。

USI PA-PR66T 3
HWiNFO32のシステムサマリ画面です。CPUは1つしか認識していません。メモリは1GB DDR SDRAMを2枚認識しています。既に忘れましたが3枚3GBは駄目だったかもしれません。

USI PA-PR66T 4
HWiNFO32のメイン画面です。

Pentium IIIの末期、このようなマザーボードがひっそりと存在していたことに驚かされました。興味が尽きません。

LPXマザーボード NORCO POS-7893

POS-7893 4 POS-7893 3
POS-7893 2
POS-7893 1

LPXマザーボードNORCO POS-7893を入手しました。eBayで見つけて購入しました。
クアッドコアのCore 2 Quad Q8300を載せて、動作不安定になっていたAcer S266Lと交換しました。Windows 10が動作しています。
旧式FMV搭載の様子は1997年製の富士通FMVを復活させる その3 ~ FMV-DESKPOWER SIII165にNORCO POS-7853を搭載と同じです。

●搭載可能CPU
基板は2012年製造、チップセットはIntel G41 Expressで、Yorkfieldに対応します。
搭載できる最高性能のCPUはCore 2 Quad Q9650 3.00GHzと思われます。

●搭載可能メモリ
公式WebサイトではDDR3 2GB×2=4GBとなっていますが、試してみたら4GB×2=8GBまで認識しました。

●USBピンヘッダ
ピンアサインはマニュアルの通りでした。一般的な配列と異なるので要注意です。
Signal NamePinSignal Name
VCC12GND
USB DATA-34GND
USB DATA+56USB DATA+
GND78USB DATA-
GND910VCC

●オーディオピンヘッダ J12
ピンアサインはマニュアルの通りでした。
Signal  NamePinSignal Name
MIC_L12MIC_R
SPKOUT_L34SPKOUT_R
GND56GND
GND78NC
LINE_L910LINE_R

●その他
POS-7853と同様、マザーボード固定用ネジ穴が小さく、FMVに取り付けるためには棒ヤスリなどで少し拡げる必要があります。

私が入手した個体はVGA2コネクタとオプションのMini PCI Expressコネクタがありませんでした。

レガシーIDEコネクタとFDDコネクタはありません。

ATX電源のソフトパワースイッチを使うためには、ジャンパJATをOpenにする必要があります。

S3スタンバイは選択できません。S1のみです。

CPUクーラー端子はPWM対応の4pinですが、実際はファンコントロールが効きません。私はマザーボードに接続せず、5V駆動させています。

1997年製の富士通FMVを復活させる その3 ~ FMV-DESKPOWER SIII165にNORCO POS-7853を搭載

1997年製の富士通FMVを復活させる その1 ~ アップグレード用マザーボード
1997年製の富士通FMVを復活させる その2 ~ LPXマザーボード NORCO POS-7853
の続きです。

1997年6月発売のFMV-DESKPOWER SIII165NORCO POS-7853 V1.0を搭載してみました。

オリジナルのスペックと比較すると、
CPU: 166MHz→3200MHz×2 …38.4倍!
メモリ: 32MB→3200MB …100倍!
HDD: 2.6GB→1000GB …384倍!

FMV-DESKPOWER SIII165 1
内部全景。電源ユニットはSFXのFSP300-60GHS+ATX変換ブラケットです。HDDはアクセスしやすい増設ベイだけに搭載しています。HDD手前の仕切り板がくりぬかれているのは、以前Acer V66LAを搭載していたからです。

FMV-DESKPOWER SIII165 2
マザーボード周辺拡大。ネジ穴の場所はぴったりです。

FMV-DESKPOWER SIII165 3
背面拡大。COM2からPS/2キーボードコネクタの間はハンドニブラーとヤスリで加工しました。

FMV-DESKPOWER SIII165 4
私が所有している旧式FMVです。左から、

FMV-5200DE6 (1997年6月発売)
マザーボード: SUPERMICRO H8SGL
CPU: AMD Opteron 6272 2.1GHz 16コア
メモリ: DDR3-1600 REG ECC 32GB
OS: Windows 7 Professional 64bit

FMV-5166D8 (1997年6月発売)
マザーボード: Acer S266L
CPU: AMD Athlon XP-M 2600+ 2GHz
メモリ: DDR-400 2GB
OS: Windows XP Home Edition

FMV-DESKPOWER SIII165 (1997年6月発売)
マザーボード: NORCO POS-7853 V1.0
CPU: Intel Pentium Dual-Core E6700 3.2GHz 2コア
メモリ: DDR2-800 4GB (DDR2-667 3.2GBで認識)
OS: Windows 7 Home Premium 32bit

FMV-466D (1993年10月発売)
マザーボード: Acer Z1+
CPU: Intel Pentium OverDrive 83MHz
メモリ: FPM 64MB
OS: Windows 95

1997年製の富士通FMVを復活させる その2 ~ LPXマザーボード NORCO POS-7853

1997年製の富士通FMVを復活させる その1 ~ アップグレード用マザーボード
の続きです。

NORCO POS-7853

LPXマザーボード NORCO POS-7853 を入手しました。
入手してから分かったのですが、V1.0とV3.0は、機能だけでなく、基板のレイアウトとピンアサインが異なります。
私が入手したのはV1.0でした。

POS-7853 V1.0 LVDSコネクタあり、FDDコネクタあり、オーディオコネクタが16pin
POS-7853 V3.0 LVDSコネクタなし、FDDコネクタなし、オーディオコネクタが10pin

以下、入手したPOS-7853 V1.0に関するメモです。

●搭載可能CPU
基板は2009年製造、BIOSは2010年製、チップセットはIntel 945G A2で、Wolfdaleまで動作しました。
搭載できる最高性能のCPUはPentium Dual-Core E6800 3.33GHzです。

●搭載可能メモリ
DDR2 2GB×2、4GBまで搭載可能ですが、チップセットの制限により、3.2GBぐらいしか認識しません。

●オンボードビデオ
BIOSのデフォルト設定では、LVDS(LCDフラットパネル)とCRT(VGA)の両方に出力するようになっていて、VGA側もLVDSの解像度に影響されてしまいます。BIOS上でCRTのみにしないとVGA側が正しい解像度で表示されません。

WindowsからはLVDSがプライマリディスプレイとして認識されます。私が使っているCPU切替器corega Changer KVM-8proとの相性が悪く、Windows上でLCDフラットパネルを無効にしないと何も表示されず困りました。

基板上のVGAピンヘッダ J8には背面のD-sub15コネクタと同じ信号が出力されます。ピンアサインはPOS-7893と同じです。
Signal NamePinSignal Name
C_RED12GND
C_GREEN345VDDC_DATA
C_BLUE56HS_R
GND78VS_R
GND9105VDDC_CLK

●オンボードLAN
Intel 82573V Gigabit Ethernet Controllerでした。

●USBピンヘッダ
ピンアサインはPOS-7853 V3.0と同じです。
Signal NamePinSignal Name
+5V12GND
USB DATA-34GND
USB DATA+56USB DATA+
GND78USB DATA-
GND910+5V

●オーディオピンヘッダ J12
Realtek ALC655 AC'97 ピンアサインはPOS-7713と同じようです。分かるまで苦労しました。
Signal  NamePinSignal Name
SPKOUT-R12GND
SPKOUT-L34GND
LINEOUT-R56LINEOUT-L
GND78GND
LINE-R910LINE-L
GND1112GND
NC1314MIC-IN-L
MIN-IN-R1516GND

●PCIスロット
適合するライザーカードは不明です。ライザーカードが使えるかどうかも不明です。
玄人志向 PCI-6.5CM経由でASMART GeForce2 MX400 PCIは動作しましたが、玄人志向 GF-GT610-LP1GHD玄人志向 GF8400GS-LP512H/HS/D3は動作しませんでした。PCIeブリッジPEX8112を使用している拡張カードは正常動作しないようです。

●その他
マザーボード固定用ネジ穴が小さく、FMVに取り付けるためには棒ヤスリなどで少し拡げる必要があります。

Windows エクスペリエンス インデックスの計測が完了しません。Windows 7/8.1/10全て同様です。原因は不明です。

スリープ後復帰しません。S1でもS3でも同様です。Windows 7/8.1/10全て同様です。原因は不明です。

32bit版のWindows 7/8.1/10では、富士通3モードフロッピーディスクドライバ V1.0L11で3モードFDの読み書きができます。多分ライセンス違反ですが。

1997年製の富士通FMVを復活させる その1 ~ アップグレード用マザーボード

昔、メーカー製PCアップグレード用マザーボードというジャンルがありました。

1990年代、パソコンは高価で、安くても20万円ぐらいしました。高いお金を払って購入し、頑張って勉強してパソコンの使い方を学びましたから、自然と愛着も湧きました。

だから型落ちしてもおいそれと買い換えることはせず、HDDを増設し、メモリを増設し、拡張カードを増設し、CPUを交換し、少しずつ数万円単位のお金をかけてアップグレードするのが普通でした。マザーボードや筐体もアップグレードが前提の作りになっていましたし、当時はCPUソケットの互換性が今よりはるかに豊富でした。例えばSocket7 Pentium 133MHzのパソコンならK6-III+ 600MHzまで、Slot1 Pentium II 400MHzのパソコンならCeleron 1.4GHzまでアップグレード可能でした。CPUクロックだけでも4倍程度は高速化することができ、投資効果を十分に体感することが可能でした。

ところが1995年Windows 95発売以前の、486世代のパソコンはアップグレードの幅が限られました。Socket3マザーボードのアップグレードパスは、Pentium OverDrive 83MHzかAMD Am5x86-P75 133MHz(Pentium 75MHz相当)に限られました。どんなにアップグレードしてもWindows 98が限界でした。
Pentium世代のマザーボードも600MHz以上にはアップグレードできず、PC-9800シリーズは勿論、PC/AT互換機のマザーボードもATX規格は殆どなく、多くが特殊形状のLPX規格で、自作用マザーボードに交換することも不可能でした。そのままではWindows XP以降のOSを使うことがほぼ不可能でした。

そこで、これらを解決するためのニッチな市場として、メーカー製PCアップグレード用マザーボードというジャンルが存在しました。大きく分けて以下2種類が存在しました。
1. マザーボード交換型(主にLPX規格のマザーボード)
2. 拡張スロット増設型(ISAバス用のPL-Renaissance/ATPL-Renaissance/370SやCバス用のPL-Renaissance/98

FMVデスクトップ向けはマザーボード交換型が主流でした。
アイデクソン中央のレスキューシリーズIXPII-2000に含まれていた DTK PRM-0061i
ラステーム・システムズのアップグレードマザーボードUG370に含まれていた Unicorn ENDAT-370ML
などが有名です。

いずれも元の筐体に大幅な改造を加えないのが大前提でした。
「IBM Aptivaを最新ハードで生まれ変わらせたユーザー出現、フロッピーはなんと118GBに」のように、原形をとどめないほど改造してATX規格のマザーボードを搭載することはアップグレードとみなされませんでした。


それから15年。さて、今はどうなのか。1995年前後の旧式パソコンを、できるだけ原形を維持したまま“アップグレード”して使い続けることはできないのか。
自作用マザーボードはATX規格とその派生型Micro ATXやMini-ITXが主流です。
Baby AT規格はPentium 4の頃に、NLX規格はPentium IIIの頃に滅びたようです。

ではLPX規格はどうなのか。なんと、産業用の分野でPOS端末用として細々と残っていました!!

Shenzhen NORCO Intelligent Technology 华北工控 http://www.norco-group.com/
POS-7933 (LGA1155 / Intel Q67)
POS-7893 (LGA775 / Intel G41)
POS-7853 (LGA775 / Intel 945G)
POS-7713 (Socket478 / Intel 845GV)

Evoc Intelligent Technology 研祥智能 http://www.evoc.cn/
POS-1811LNA (LGA775 / Intel 945G)
POS-1711VNA (Socket478 / Intel 845GV)

ライザーカードに電気的な互換性はありませんが、分かっている人が見れば、マザーボードの形状に物理的な互換性があるのが分かります。

本当はPOS-7933が欲しかったのですが、私のような一個人が入手するのは困難でした。
代わりにPOS-7853が手に入ったので、これからレポートします。

TYAN Thunder 2500は本当に8GBのメモリを搭載できるか? その2

Ultra 2 SCSI版のS1867DLUANとUltra 160 SCSI版のS1867DLU3ANを途中で交換したので画像は両方が混じっています。

TYAN Thunder 2500 8TYAN Thunder 2500 9
しっかり8GB認識できています。

TYAN Thunder 2500 4TYAN Thunder 2500 5
Windows Server 2003 Enterprise Edition 評価版をインストールしてboot.iniに/PAEオプションを付けたら、無事8GB認識されました。

TYAN Thunder 2500 6TYAN Thunder 2500 7
デバイスマネージャです。

メモリを2GBずつ増やしていって、4GBになったところでオンボードのEthernetコントローラが動作しなくなりました。4GB、6GBでは64bit/66MHz PCIスロットに挿した3Com 3C996B-Tが動作していましたが、8GBになったところで動作しなくなりました。

8GBにすると全体的に不安定になり、すぐにHardware Malfunctionというブルースクリーンが表示されるようになりました。
ただしメモリモジュールが完全に同一ではなく、全てSAMSUNG製の同一基板、タイミングはPC133R-333-542-B2ではありますが、製造年が1999年が1枚、2003年が2枚、2005年が5枚とバラバラなため、相性問題が発生している可能性があります。

TYAN Thunder 2500は本当に8GBのメモリを搭載できるか?

ServerSet IIIチップセット搭載マザー「Thunder 2500」発売
今週見つけた新製品 2000年4月22日号
今週見つけた主な新製品 2000年7月15日号

TYAN Thunder 2500は、カタログスペック上はメモリ最大8GB搭載できることになっています。

ただ発売された2000年当時は1GBのメモリモジュールなんて事実上入手不可でしたし、あったかどうかすら不明です。
最近1GBモジュールが8枚手に入ったので、本当に8GB搭載できるのかどうか試してみました。

TYAN Thunder 2500 1
RAGE XL AGPビデオカードとPC133 Registered ECC 1GB メモリモジュール8枚を実装したところ。

TYAN Thunder 2500 2
POST画面。ちゃんと8GBフルに認識します。

TYAN Thunder 2500 3
Ultra 2 SCSIオンボードのS1867DLUANでもUltra 160 SCSIオンボードのS1867DLU3ANでも同様に認識しました。

その後、Windows XP Professionalをインストールしました。boot.iniで/PAEオプションを付けても4GBまでしか認識しませんでした。面白くないので画像はありません。なぜかEthernetコントローラが動作しませんでした。原因は特定できていません。

次はWindows Server 2003評価版をインストールして、8GB認識するかどうか試してみたいと思います。

J&W Technology JW-N7AS-HDにONDA N7ASのBIOSを書き込む

J&W Technology JW-N7AS-HDと物理的に同じと思われるマザーボードとして、ONDA昂达 N7ASYESTON盈通 CN7ASがあります。

ONDA N7ASのBIOS DN7ASR12.rarがJW-N7AS-HDより新しそうなので、JW-N7AS-HDに書き込んでみました。画像は左がJ&W、右がONDAです。

●起動画面
JW起動画面1
JW起動画面2ONDA起動画面
ONDAはロゴのフルスクリーン表示ができません。

BIOS文字列は、
J&W : 64-0100-000001-00101111-062209-MCP79-C7A0A022-Y2KC
ONDA: 64-0100-000001-00101111-061509-MCP79-C7A0A022-Y2KC
となっていて、なんとONDAのほうが古いです。

●BIOS画面 Main
JWBIOS画面MainONDABIOS画面Main
ONDAは中国語を選択できます。

J&Wの項目名「JUSTw00t!」は、ONDAでは「OverDrive」となっていますが、中身は同じでした。

●BIOS画面 Main - System Information
JWBIOS画面Main System InformationONDABIOS画面Main System Information
両方ともVersionとBIOS IDが同じなので物理的に同じものでしょう。
やはりBuild DateはONDAのほうが7日古いです。

●BIOS画面 Security
JWBIOS画面SecurityONDABIOS画面Security
ONDAのほうはFlash Write Protectionの項目がありません。

結論として、ONDA N7ASのBIOSに書き換えるメリットは全く無さそうです。