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Intel 820チップセットはメモリ2GBまで認識する

RDRAMの信号をSDRAMに変換するMemory Translator Hub、MTHの不具合から回収騒ぎになったIntel 820チップセット。ASUS P3C2000はIntel 820+MTH構成だったため回収対象となりました。回収されず中古市場に出回っていたものを以前入手していたのですが、単純な興味でメモリを交換していったら、両面16チップ512MBのモジュール2枚1GBを普通に認識しました。公式には128Mbitまでとされていますが、256Mbitのチップも認識しました。

そこで手持ちの両面16チップ1GBのモジュールを2枚取り付けてみたら、何と全容量普通に認識して動作してしまいました。これは驚きです。512Mbitのチップまで認識するようです。

Intel 820の直後にリリースされたIntel 815は最大512MBまでしか認識しませんでしたから、これは凄いです。MTH、実はとんでもないポテンシャルを秘めていた。20年以上の時を経て汚名返上を果たした感があります。

ASUS_P3C2000_1.jpg
BIOS画面。2GB全てを認識しています。

ASUS_P3C2000_2.jpg
MemoryMastersブランド、1GBのメモリモジュール2枚。搭載チップはMicron MT48LC64M8A2TG-75Cが両面16枚。

ASUS_P3C2000_3.pngASUS_P3C2000_4.png
Windows XPからも2GB認識されています。ただ高負荷が掛かるとリセットするような気がします。CPUが非対応のSSE2命令を使用するプログラムとメモリのどちらが原因か切り分けできませんでした。

1枚1GBのPC800-40 ECC RDRAM RIMM

1枚1GBのPC1066-32P ECC RDRAM RIMM
の続きです。PC800-40の2種類も試してみたくてeBayで購入しました。

PC800-40 32デバイス / MR18R162WDG0-CM8 / 20-0F87A-01
PC800-40 16デバイス / MR18R326GAG0-CM8 / 20-1F88A-01

最後の型番はHPのP/Nです。HP AlphaServer GS1280/ES80/ ES47 - Spare/Option Part Numbersを参照のこと。

MR18R162WDG0-CM8
32デバイスのMR18R162WDG0-CM8です。上方向に伸びています。これはAT互換機向けには無かった形状です。

MR18R326GAG0-CM8
16デバイスのMR18R326GAG0-CM8です。

以下の環境で試してみました。2枚+C-RIMMでも4枚でも全滅です。POSTしません。最後発のIntel 850Eなら、もしかしたら認識するのではないかと微かに期待していましたが、結果はダメダメのダメでした。

●Intel 850
Acer S80Xupgradeware p478+Pentium 4 1.6GHz SL5VH

●Intel 850E
ASUSTeK P4T533-C+Pentium 4 2GHz SL5YR

●Intel 860
SUPERMICRO P4DC6+ +Xeon 1.7GHz SL5TE×2

1枚1GBのPC1066-32P ECC RDRAM RIMM

MR18R326GAG0-CT9Q1
Pentium IIIとPentium 4のIntel 820、840、850、850E、860チップセット向けに生産されたRIMMは1枚512MBが最大です。1GB(1024MB)のものはAlphaプロセッサ専用らしいという話は知っていましたが、Pentium IIIとPentium 4で動作するかどうかずっと気になっていて、2016年6月頃にeBayで見つけて購入していました。

購入したものはサムスン電子製で型番はMR18R326GAG0-CT9Q1です。HPのP/Nは20-1F18B-01で、Webサイトを参照するとHP AlphaServer GS1280/ES80/ES47向けであることが分かります。

購入当時の動作確認結果は以下の通りで、予想通り全滅でした。

●Intel 820
ASUSTeK P3C-D(HP向け)+Pentium III 600MHz(FSB 100MHz)×2
→1枚でも2枚でもPOSTせず

ASUSTeK CUC-D(HP向け)+Pentium III 1GHz(FSB 133MHz)×2
→1枚でも2枚でもPOSTせず
→2枚のときはビープ音

GIGABYTE GA-6CX7(NEC向け)+Pentium III 1GHz(FSB 133MHz)
→1枚でも2枚でもPOSTせず

Acer M23A+Pentium III 600MHz(FSB 100MHz)
Acer M23A+Pentium III 1GHz(FSB 133MHz)
→1枚でも2枚でもPOSTせず

●Intel 840
TYAN Thunder i840 S2520U3NG+Pentium III 1GHz(FSB 133MHz)×2
→2枚でも4枚でもPOSTせず

●Intel 860
SUPERMICRO P4DC6+ +Xeon 1.7GHz×2
→2枚でも4枚でもPOSTせず

同じ1GBでも、PC800-40 32デバイスの20-0F87A-01とPC800-40 16デバイスの20-1F88A-01は入手していないので不明です。

1枚2GBのPC133 SDRAMモジュール

M390S5658BT1-C7AQ0
168pinのSDR(Single Data Rate)だった頃のSDRAMは1枚最大1GBだと思っていましたが、2GBのRegistered ECCモジュールが存在しました。サムスン電子製で型番は M390S5658BT1-C7AQ0 です。基板は1GBの M390S2858ET1-C7A と全く同じです。チップの枚数も同じなので単純にチップあたりの容量が2倍のようです。

HP/CompaqのP/N 291711-051で検索すると、これは317093-B21と同等らしく、317093-B21で検索するとProLiant DL740向けにHPが開発したF8チップセットが対象プラットフォームであることが分かります。

では他のプラットフォームでは動作しないのか? 1GBのPC133R SDRAMが動作したマザーボードで試してみました。

TYAN Thunder 2500 (ServerWorks ServerSet III HE)
→ビープ音が鳴ってPOSTせず

TYAN Thunder HEsl-T (ServerWorks ServerSet III HE-SL)
→ビープ音も鳴らずPOSTせず

Acer M25D-2 (VIA Apollo Pro 133T)
→POST画面が出てからハングアップ

Acer M25B (Intel 840+MRH-S)
→ビープ音が鳴ってPOSTせず

全滅です。ServerSet III HE-SLの公称最大値が12GBらしいので、もしかしたら動作するかなと思いましたが、期待外れで残念です。

4GBのDDR SDRAM PC3200モジュール

M312L5128AU1-CCC
1枚4GBのサムスン電子製DDR SDRAM PC3200モジュール M312L5128AU1-CCC です。パソコン向けではなくサーバー向けのRegistered ECCモジュールです。チップは2段重ね、合計36枚です。

DDR SDRAMでは最大容量ではないかと思います。昨年東京郊外の中古PCショップで見つけて、あるだけ全部買いました。私が購入したものは2006年から2007年にかけての製造でした。この頃はFB-DIMMやDDR2が主流になっていましたから、あまり生産されなかったのかもしれません。

Socket 940プラットフォームやSocket 604プラットフォームのNocona/Irwindale世代でメモリを最大まで増設するためには必須です。実際RIOWORKS HDAMC (Iwill DK8X)などで合計32GB認識しました。

M312L5720CZ3-CCC
1枚2GBのサムスン電子製DDR SDRAM PC3200モジュール M312L5720CZ3-CCC です。上記の4GBモジュールを発見するまでは、この2GBが最大容量だと思っていました。

SDRAMとEDO DRAMの速度比較

Intel 440LXチップセットは、SDRAMだけでなく、後方互換性のためにより遅いEDO DRAMも公式にサポートしますが、そもそもEDO DIMM自体の流通量が少なかったはずなので、知っている人は少なかったでしょう。

その440LXのAcer V65LAでSDRAMとEDO DRAMを比較してみました。

●認識
SDRAMです。普通に256MBモジュール3枚の全容量を認識してしまいました。これには驚きました。440LXの公式仕様ではSDRAMは512MBが最大ですし、440BXのAcer V66LAはRegisteredタイプでなければ256MBモジュールを認識しなかったので。
Acer V65LA SDRAM 768MB 1Acer V65LA SDRAM 768MB 2

EDO DIMMです。こちらも256MBモジュール3枚の全容量を認識しました。440LXの公式仕様ではEDO DRAMは1GBが最大です。
Acer V65LA EDO 768MB 1Acer V65LA EDO 768MB 2

POST画面の表示です。どちらもこの画面は共通です。
Acer V65LA 768MB

●速度比較
試しにPowerLeap PL-iP3/T+Tualatin Celeron 1.2GHzを挿したらあっさり動作してしまいました。ただし動作クロックは2/3の800MHzです。Celeron 1.4GHzでも動作するでしょう。
Acer V65LA PL-iP3/T

Windows 2000ではどうしてもオンボードLAN通信時にブルースクリーンが出たので(メモリ768MBのときだけだったかも。忘れました。マザーボード不良の可能性もあり。)、512MBに減らしてWindows 98で比較しました。
Acer V65LA Tualatin 800MHz

・SDRAM
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
Processor Pentium III 801.82MHz[GenuineIntel family 6 model B step 1]
Cache L1_D:[16K] L1_I:[16K]
VideoCard ATI 3D Rage Pro (atir3)
Resolution 1024x768 (16Bit color)
Memory 522,828 KByte
OS Windows 98 4.10 (Build: 1998)

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
16880 32203 33841 9052 7720 11553 29

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite Drive
7994 20139 1534 44 26069 20249 14167 20193 C:\100MB

・EDO DRAM
★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.40 beta 6 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
Processor Pentium III 801.82MHz[GenuineIntel family 6 model B step 1]
Cache L1_D:[16K] L1_I:[16K]
VideoCard ATI 3D Rage Pro (atir3)
Resolution 1024x768 (16Bit color)
Memory 522,828 KByte
OS Windows 98 4.10 (Build: 1998)

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
15719 32164 33785 7823 3980 6324 29

Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write RRead RWrite Drive
7344 16328 913 33 24532 19677 14400 18269 C:\100MB


全然違いますね。SDRAMでは、メモリ速度だけでなく、オンボードビデオやHDDの速度も全体的に向上しているのが分かります。

168pin 3.3V EDO Unbuffered DIMM

とっくの昔に絶滅した168pin 3.3V EDO Unbuffered DIMMです。
3.3V Unbufferedということで、切り欠きの位置が普通のSDRAMと同じです。

この5枚は全て128MBで、普通のSDRAMと同じように見えます。
一番上と下2つの基板はSPDチップみたいなのが付いてますが、何に使うのでしょうね?
168pin 3.3V EDO Unbuffered DIMM 1

上の3枚は128MBですが、チップが分厚いので普通のSDRAMには見えません。異様な雰囲気を漂わせています。
一番下の1枚は64MBで、写真では分かりませんがAcerのホログラムシールが貼ってあり、富士通のCA型番も貼ってあります。Acer M11Cか何かに搭載されていたのでしょうか?
168pin 3.3V EDO Unbuffered DIMM 2

これは1枚256MBです。片面18枚、両面36枚実装されています。珍しいと思います。
168pin 3.3V EDO Unbuffered DIMM 3