fc2ブログ

Sandy BridgeとBulldozerの比較

IntelのSandy BridgeマイクロアーキテクチャとAMDのBulldozerマイクロアーキテクチャの性能差は実際のところどうなのか、コア/モジュール数、スレッド数、クロックが同一なXeon E3-1260LとOpteron 3280で比較してみました。

●環境
【Sandy Bridge】
CPU: Xeon E3-1260L
マザーボード: ASUSTek P8B75-M

【Bulldozer】
CPU: Opteron 3280
マザーボード: ASRock 880GM-LE FX

【共通】
クロック: 2.4GHz
コア/モジュール数: 4
スレッド数: 8
Turbo Boost/Turbo CORE: 無効
EIST/CnQ: 有効
C1E: 有効
メモリ: DDR3-1333 4GB×2
ビデオカード: 玄人志向 RH6450-LE512HD/HS
HDD: Seagate ST3500418AS
電源: Owltech OWL-300SFX (FSP300-60GLS)
ディスプレイ: 1024×768 32bit
OS: Windows 7 Enterprise 64bit 評価版 SP1
その他: PS/2キーボード、PS/2マウス

●ベンチマーク結果
クリックすると大きな画像が出ます。
Sandy BridgeとBulldozerの比較
Sandy Bridgeと比較して、Bulldozerの演算速度は8割程度、x264エンコード速度は同等、消費電力は4割増しです。体感と大体同じだと思います。ただし、ASRock 880GM-LE FXの消費電力は高めなので、ASUSやMSIのマザーボードに交換したらもう少し低くなるかもしれません。

Opteron 3280はDDR3-1600でも試しましたが、消費電力含めて0.5~2%程度の向上に留まりましたので結果の掲載は中止しました。

Xeon E3-1260Lはずっと2.5万円程度だったのに対し、Opteron 3280は2.2万円から始まって最安1万円まで下がったので、値段を考えたらBulldozerも十分ありだと思います。

Core 2 Quad Q8300とQ9300の比較

Core 2 Quad Q8300とQ9300の違いは、2次キャッシュの量と仮想化機能の有無だけです。
2次キャッシュが少ないと消費電力も少ないと言われますが、本当かどうか検証してみました。

●仕様
【共通点】
クロック: 2500MHz
コア数: 4
製造プロセス: 45nm
コードネーム: Yorkfield
ソケット: LGA775
TDP: 95W

【相違点】
sSpec: SLB5W / SLAWE
ステッピング: R0 / M1
L2: 4MB / 6MB
VT-x: 無し / 有り

●環境
マザーボード: J&W JW-N7AS-HD
メモリ: DDR2-800 4GB×2
ビデオ: オンボード
HDD: Seagate ST31000528AS
電源: 玄人志向 KRPW-V560W
ディスプレイ: 1024×768 32bit
OS: Windows Vista Home Premium 64bit SP2
その他: PS/2キーボード、PS/2マウス

●ベンチマーク結果
左がQ8300で右がQ9300です。
Q9300はキャッシュが多いせいかメモリスコアがわずかに良く、全体的に微増しています。

PCMark Vantage: 4664 / 4919
3DMark Vantage: 611 / 608
CrystalMark 2004R3: 149492 / 150460
HDBENCH 3.40: 159216 / 159276

●消費電力
左がQ8300で右がQ9300です。
OCCT LINPACKは最大値だけ見ると3Wしか違いませんが、平均値は4W以上差があるように見えました。

起動時最大: 108W / 107W
アイドル: 44W / 46W
スタンバイ: 3W / 3W
OCCT LINPACK 5分間最大: 127W / 130W

消費電力命であれば、VT-xに対応したQ8300の後期リビジョンSLGURがベストかもしれません。

K7、K8、P6、Netburstアーキテクチャ間の比較

Pentium IIIとPentium 4は同クロックでどれぐらいの差があったのか?
Pentium IIIがそのままクロック向上していたらどれぐらいの性能になったのか?
AthlonとOpteronは同クロックでどれぐらいの差があったのか?

これらを確認するために、PCを解体する前にデータを取ってみました。
最近のアーキテクチャ(K10、Core、Nehalem)も同クロックでデータを取っています。

●環境
Pentium IIIの最高定格クロックがOpteronの最低定格クロックと同じ1.4GHzなので、これに合わせました。
また、最近のデュアルコアプロセッサと比較するため、デュアルプロセッサ環境としました。

CPU1: Geode NX 1750、Athlon MP 1600+相当 1.4GHz×2 (定格)
CPU2: Opteron 240 EE 1.4GHz×2 (定格)
CPU3: Pentium III-S 1.4GHz×2 (定格)
CPU4: Xeon MP 1.4GHz×2 (定格)
CPU5: Athlon II X2 250u 1.4GHz (倍率下げ)
CPU6: Pentium E2220 1.4GHz (倍率下げ)
CPU7: Core i3 540 1.4GHz (BCLKを140MHzにOC&倍率下げ)
メモリ: 512MB×4
HDD: Seagate ST3500418AS (+変換名人 IDE-SATAZD2
ビデオカード: RADEON 9600 XT または X600 XT、どちらも同クロック
その他: 光学ドライブ、FDD
OS: Windows XP Professional SP3

●ベンチマーク結果
クリックすると大きな画像が出ます。
1.4GHz比較 ベンチマーク結果
P6が意外と高性能です。K8とそんなに変わりません。Netburstの性能がいかに低かったかということが良く分かります。
NehalemはP6比で1.5~2倍ぐらいあります。
K7のHDD書き込み速度が出ていないのは、変換アダプタとの相性問題と思われます。

Sandy BridgeのCeleronも手元にありますが、最低倍率が16倍で、BCLKも下げられないので比較できませんでした。残念です。

Phenom II X4 905e C2ステッピングとC3ステッピングの比較

今更ですが、Phenom II X4 905e と Athlon II X4 615e の比較以来ずっと気になっていたので比較してみました。

●環境
CPU1: Phenom II X4 905e C2 HD905EOCGIBOX
CPU2: Phenom II X4 905e C3 HD905EOCGMBOX
CPU3: Athlon II X4 615e C3 AD615EHDGMBOX
マザーボード: ASRock A785GMH/128M
メモリ: DDR2-800 4GB×4
ビデオ: オンボード
HDD: Seagate ST3500418AS
電源: Owltech OWL-300SFX (FSP300-60GLS)
ディスプレイ: 1024×768 32bit
OS: Windows 7 Enterprise 64bit 評価版 SP1
その他: PS/2キーボード、PS/2マウス

●外見
CPUそのものの外見は全く同じなので省略します。

箱。左から905e C2、C3。ただし、C2でも後期のものは右の省スペースパッケージの場合があるようです。
Phenom II X4 905e Box

クーラー。左から905e C2、C3。単にロットの違いで、ステッピングの違いに起因するものではないと思われます。
Phenom II X4 905e Cooler

●P-state
K10statの画面です。左から905e C2、905e C3、615e C3。何と905e C3のほうが0.025V低くなっています。ただしノースブリッジは0.05V高くなっています。
Phenom II X4 905e C2 P-statePhenom II X4 905e C3 P-stateAthlon II X4 615e P-state

クロック
P0: 2500 / 2500 / 2500
P1: 1900 / 1900 / 2100
P2: 1400 / 1400 / 1800
P3: 800 / 800 / 800

CPU電圧
P0: 1.1750 / 1.1500 / 1.1000
P1: 1.1250 / 1.1000 / 1.0250
P2: 1.0500 / 1.0250 / 0.9500
P3: 0.9750 / 0.9500 / 0.8750

NB電圧
P0: 1.1000 / 1.1500 / 1.1000
P1: 1.1000 / 1.1500 / 1.1000
P2: 1.1000 / 1.1500 / 1.1000
P3: 1.1000 / 1.1500 / 1.1000

●ベンチマーク結果
左から905e C2、905e C3、615e C3。誤差程度だと思いますが、CrystalMarkとHDBENCHでは、905e C3のFPUがわずかに低くなり905e C3のMEMがわずかに高くなりました。

PCMark 7: 1889 / 1860 / 1825
3DMark Vantage: 283 / 286 / 272
CINEBENCH R11.5 OpenGL: 4.27 / 4.27 / 4.25
CINEBENCH R11.5 CPU: 2.93 / 2.93 / 2.78
CrystalMark 2004R3: 146858 / 145038 / 148082
HDBENCH 3.40: 153588 / 154642 / 154992

●消費電力
左から905e C2、905e C3、615e C3。わずかですが差が出ました。

起動時最大: 88W / 88W / 81W
アイドル: 45W / 43W / 36W
スタンバイ: 4W / 4W / 4W
OCCT LINPACK 5分後: 131W / 125W / 109W

それにしてもL3の有無だけでこれだけ電圧と消費電力に差が出るというのが驚きです。