Intel 300シリーズチップセット以降のスリープ解除遅延問題
以前から2台のPCでTvRock+TVTestのテレビ番組予約録画を行っています。OSはWindows 10最新版です。録画と番組情報取得以外の時間はスリープ状態です。
2018年3月、Intel Core i5-8400+ASUS PRIME H310M-Aに構成変更した後、最初に問題が発覚したのは2019年7月でした。なぜか稀に録画開始が数分遅れるのです。原因不明のスリープ解除遅延でした。その後、RTC周りが原因と推測し、UEFI設定のSystem Time and Alarm SourceをデフォルトのACPI Time and Alarm DeviceからLegacy RTCに変更したら解決しました。
参考
「300チップセットマザーボードのRTC設定 – Boot macOS」
https://bootmacos.com/archives/7195
しかし、最も詳しく正確な情報が入手できるのは価格.comのクチコミ掲示板です。
「価格.com - 『acpi waik alarm とは何でしょう?』 ASUS TUF Z390-PLUS GAMING のクチコミ掲示板」
https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001095680/SortID=23106762/
2021年7月、Intel Core i7-10700+ASUS PRIME H510M-Aに構成変更しました。事前調査によりUEFI設定変更でACPI Wake Alarmを無効にできないことを想定していましたので、価格.comの記事の通りにデバイス マネージャー上で無効にしました。
ところが、無効にするとスリープ解除自体が不可能になるのです。TvRockからの解除、タスク スケジューラからの解除、どちらも同じ結果で、セットした時刻になってもスリープから復帰しません。TvRockに依存した問題ではないことも分かりました。また、ASUS PRIME H510M-AにはLegacy RTCのハードウェア自体が搭載されていないと推測しました。
ASUS PRIME H510M-Aで発生したスリープ解除遅延現象の詳細は以下の通りです。
残念ながら解決方法が無いので、TvRockのスリープ復帰時間を最大の5分間に設定し、さらに番組情報取得のタイミングを1日2回に増やすことで対処しました。
こうなってくると、ASUS PRIME H310M-AとPRIME H510M-Aの間にある、Intel 400シリーズチップセットのPRIME H410M-Aがどうなるのか気になってくるわけです。幸いCore i7-10700が動作します。おそらくPRIME H510M-Aと全く同じ挙動になるだろうと思いつつ、全く期待せずに購入してみました。
結果、意外や意外、デバイス マネージャー上でACPI Wake Alarmを無効にしたら、遅延なくスリープ解除されるようになりました。
従って、各モデルの差異を整理すると、以下のようになります。
*既に処分してしまったので不明、推測
「インテル(R) ディスプレイ用オーディオ」はスリープ解除遅延問題と無関係ですが、H410M-AまでとH510M-Aで挙動が異なったので、書きました。何か関係があるのかもしれません。
私はただのパソコンオタクですので、ASUS以外のマザーボードメーカーがどのように設計して実装しているか、Intel社のマザーボードデザインガイドラインがどうなっているか全く知りませんが、結論としてIntel 500シリーズチップセット以降はスリープ解除遅延問題を解決できないかもしれないことを覚えておくのが無難です。
なおAMDは500シリーズチップセットでもスリープ解除遅延問題は全く発生しません。デバイス マネージャー上に「ACPI ウェイク アラーム」が存在しないので、今でもLegacy RTCを使っていると思われます。
それにしてもこれだけ重大な問題が放置されているのは異常です。TvRockはともかくタスク スケジューラからのスリープ解除が遅れるのはハードウェアかソフトウェア(OS)の不具合としか思えません。「ACPI Wake Alarm」でGoogle検索しても、勝手にスリープ解除されるという低レベルな記事で検索結果が汚染されていて、有用な情報に辿り着けません。多くの人が原因不明のまま解決できずにスリープ運用を諦めているかもしれません。是非ともマザーボードメーカーとMicrosoft社は問題解決に向けて動いて頂きたいと思います。
2018年3月、Intel Core i5-8400+ASUS PRIME H310M-Aに構成変更した後、最初に問題が発覚したのは2019年7月でした。なぜか稀に録画開始が数分遅れるのです。原因不明のスリープ解除遅延でした。その後、RTC周りが原因と推測し、UEFI設定のSystem Time and Alarm SourceをデフォルトのACPI Time and Alarm DeviceからLegacy RTCに変更したら解決しました。
参考
「300チップセットマザーボードのRTC設定 – Boot macOS」
https://bootmacos.com/archives/7195
しかし、最も詳しく正確な情報が入手できるのは価格.comのクチコミ掲示板です。
「価格.com - 『acpi waik alarm とは何でしょう?』 ASUS TUF Z390-PLUS GAMING のクチコミ掲示板」
https://bbs.kakaku.com/bbs/K0001095680/SortID=23106762/
- ACPI Wake Alarm(ACPI ウェイク アラーム)が存在する場合はACPI Wake Alarmが優先して使われ、ACPI Wake Alarmが存在しない場合はLegacy RTCが使われる。
- UEFI(BIOS)設定でACPI Wake Alarmを無効にできない場合でも、デバイス マネージャー上で無効にすれば同じ結果になる。
- デバイス マネージャー上で無効にする場合はHKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Services\acpitimeのStartを4に変更して再起動する。
2021年7月、Intel Core i7-10700+ASUS PRIME H510M-Aに構成変更しました。事前調査によりUEFI設定変更でACPI Wake Alarmを無効にできないことを想定していましたので、価格.comの記事の通りにデバイス マネージャー上で無効にしました。
ところが、無効にするとスリープ解除自体が不可能になるのです。TvRockからの解除、タスク スケジューラからの解除、どちらも同じ結果で、セットした時刻になってもスリープから復帰しません。TvRockに依存した問題ではないことも分かりました。また、ASUS PRIME H510M-AにはLegacy RTCのハードウェア自体が搭載されていないと推測しました。
ASUS PRIME H510M-Aで発生したスリープ解除遅延現象の詳細は以下の通りです。
- スリープから約3.5時間まではアプリケーションがスリープ解除するが、約3.5時間を超えるとACPI Wake Alarmがスリープ解除するようになる。
- ACPI Wake Alarmがスリープ解除する場合、1時間毎に約25秒ずつスリープ解除が遅れていく(16時間で約7分)。
- 時間に比例してスリープ解除が遅れていくので、ハードウェアではなくソフトウェア(Windows 10)側が原因の可能性がある。
残念ながら解決方法が無いので、TvRockのスリープ復帰時間を最大の5分間に設定し、さらに番組情報取得のタイミングを1日2回に増やすことで対処しました。
こうなってくると、ASUS PRIME H310M-AとPRIME H510M-Aの間にある、Intel 400シリーズチップセットのPRIME H410M-Aがどうなるのか気になってくるわけです。幸いCore i7-10700が動作します。おそらくPRIME H510M-Aと全く同じ挙動になるだろうと思いつつ、全く期待せずに購入してみました。
結果、意外や意外、デバイス マネージャー上でACPI Wake Alarmを無効にしたら、遅延なくスリープ解除されるようになりました。
従って、各モデルの差異を整理すると、以下のようになります。
ASUS PRIME | H310M-A | H410M-A | H510M-A |
UEFI設定でACPI Wake Alarmを無効に | できる | できない | できない |
デバイス マネージャー上で「ACPI ウェイク アラーム」を無効にすると、スリープ解除 | される* | される | されない |
(おそらく)ハードウェア的にLegacy RTCを搭載して | いる* | いる | いない |
デバイス マネージャー上で「インテル(R) ディスプレイ用オーディオ」を無効にしないと、勝手にスリープ解除 | される | される | されない |
「インテル(R) ディスプレイ用オーディオ」はスリープ解除遅延問題と無関係ですが、H410M-AまでとH510M-Aで挙動が異なったので、書きました。何か関係があるのかもしれません。
私はただのパソコンオタクですので、ASUS以外のマザーボードメーカーがどのように設計して実装しているか、Intel社のマザーボードデザインガイドラインがどうなっているか全く知りませんが、結論としてIntel 500シリーズチップセット以降はスリープ解除遅延問題を解決できないかもしれないことを覚えておくのが無難です。
なおAMDは500シリーズチップセットでもスリープ解除遅延問題は全く発生しません。デバイス マネージャー上に「ACPI ウェイク アラーム」が存在しないので、今でもLegacy RTCを使っていると思われます。
それにしてもこれだけ重大な問題が放置されているのは異常です。TvRockはともかくタスク スケジューラからのスリープ解除が遅れるのはハードウェアかソフトウェア(OS)の不具合としか思えません。「ACPI Wake Alarm」でGoogle検索しても、勝手にスリープ解除されるという低レベルな記事で検索結果が汚染されていて、有用な情報に辿り着けません。多くの人が原因不明のまま解決できずにスリープ運用を諦めているかもしれません。是非ともマザーボードメーカーとMicrosoft社は問題解決に向けて動いて頂きたいと思います。